ゴドーを待ちながら(準備)

目をつけた戯曲は、不条理劇の金字塔、サミュエル・ベケットゴドーを待ちながら』。
ウラジミールとエストラゴンの二人の主演は、もちろん吉田と岩谷。
ポッツォとラッキーを誰にするかである。
仮に先輩の中から一緒にやってくれる人を探すとすれば、その人にポッツォをお願いして、僕がラッキーをやる、ということになる。
だが、先輩を引きこむことには、三人ともあまり乗り気ではなかった。
「やりづらくならないかね」
「なるかもね」
「じゃ、よそう」
「そうしよう」
LRB企画の意思決定はいつも速かった。
そこで、僕がポッツォをやって、後輩の中からラッキーを選ぶことにした。
候補は、小須田康人と安田雅弘の二人。
結論はすぐに出た。
小須田は、『女中たち』『授業』で照明を担当したことで、スタッフの面白さを知り、第三舞台では役者、LRB企画ではスタッフをやる方向で考えているようだった。
そこで安田にラッキーを頼むことにした。
安田は即答で引き受けてくれた。
また一人、力のある役者を引き入れることに成功したのである。