ゴドーを待ちながら3 /プラン

劇研の公演は春と秋に行われる。
大きな理由は、テント公演でもアトリエ公演でも、エアコンがないので、夏や冬は、見る方もやる方もキツイということである。
なので、夏休み前にはテントが消え去り、ただのアスファルト広場に戻る。
LRB企画第3回公演『ゴドーを待ちながら』は、その時期にすることにした。
そうすれば、アンサンブルの公演、もしくは稽古に支障をきたすこともない。
そして、『ゴドーを待ちながら』を野外劇として上演できる。
ゴドーを待ちながら』を野外でやろうと思ったのは、不条理な戯曲に少しでもリアリズムを持ち込みたいと考えたからだ。
舞台美術はどんなに精密に作っても所詮は偽物(だからいいのだが)。
だったら、劇研広場の持つ異空間としての場を、そのまま舞台にしてしまえばいい。
夕暮れから始めて、芝居が進むに連れ夜の闇に包まれ、照明の効果が上がって役者がどんどん浮かび上がるはずだ。
開場時には、すでにウラジミールとエストラゴンがアトリエの観音扉前にすわっている。
広場には、照明用のイントレが立てられている。
ベンチがいくつか置かれていたり、平台を階段状に組んだ座れる場所がある。
だが、演技スペースと客席部分は、明確に分けられていない。
劇研広場すべてが舞台であり、客席でもある。
観客は、部室長屋の屋根の上から見るのもOK。
劇研広場とフェンスを隔てて隣接している大隈庭園にも、照明を仕込んで樹木をライトアップする。
客入れBGMは、戸川純『蛹化の女』。
使用する音楽は、基本的に『蛹化の女』の原曲パッヘルベル『カノン』のメロディーのアレンジ。
誰かにピアノかオルガン、あるいはギターや笛で演奏してもらう。
ラストは戸川純『パンク蛹化の女』。
そして大隈講堂の壁面をライトアップして、十字架とか、首吊りの木とか、何か象徴的なものを影絵として映し出す。
そんなプランが僕の頭の中で進行してた。