「A Cat Has Nine Lives」

「A Cat Has Nine Lives」

 

今回の『BOSS CAT』は、キャスト&スタッフを入れ替えての再演である。

初演は、2018年7月で、主演は京本大我

東京公演は、よみうり大手町ホールでわずか3日間、大阪公演もシアター・ドラマシティで4日間であった。

もっと長くやりたかったなあ──。

とは言え、とにかく念願の再演がかなったのだ。

それもこれも、あの初演があったおかげである。

大我くん、ありがとう!

そして、初演をまったく引きずることなく、『BOSS CAT』に新たな息吹を吹き込んでくれた檜山ネコ、ありがとう!

 

ところで、どうして「念願の再演」なのかと言えば、実は当初から『BOSS CAT』は9回再演しよう!、と勝手にプランしていたからである。

「ネコには9つの命がある」というセリフを入れたのは、9つの『BOSS CAT』を作ろう、というプランがあったからなのだ。

では、なぜ9回なのか?

 

イギリスには、「A Cat Has Nine Lives.(ネコには9つの命がある)」という諺がある。

僕は中学生のときに、ジョン・レノンの「Crippled Inside」の歌詞で知った。

シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の中にも登場するし、映画や海外ドラマでもよく使われているので、かなり一般的なものだと思う。

実際の会話の中では、簡単にはくたばらない、という意味で使われることがほとんどで、個人的にとても好きなフレーズである。

そして、初演のパンフレットに、こんなことを書いた。

 

「この芝居は、その……"バカ芝居"です。出てくるのはバカばかり。ネコは当然、王さまだろうが、姫だろうが、全部バカです。ですがここ数年、僕は自分もバカのひとりであることにようやく自覚がでてきました。以前は控えめに言って、自分はわりと利口なんじゃないか、と思いながら生きていたかもしれません。ですが人類全体がバカの集まりであることは、何と言うか、とても救いがあるような気がしています。"歌って踊って芝居して......どっこい今日も生きている" 本来、人間は強い。何があろうと生きていこうとする。しぶとい生き物なんです。」

 

というわけで、『BOSS CAT』はあと7回再演するつもりである。

あと15年くらいかかるのか?

う〜ん、簡単にくたばってたまるか!

 

本日はご来場いただき、まことにありがとうございます。

しぶとく生き抜きましょう!

鈴木勝秀(suzukatz.)