CLOUD/上演台本公開について

上演台本の校正もようやく終わり、あとはsuzukatz-cloud.comにアップされるのを待つばかりになりました。
http://www.suzukatz-cloud.com/
それに先行して、序文的なものをここで公開します。
以下のテキストは、上演台本にもついてきますが、ちょっとした予告編という感じです。

「上演台本公開について」
僕はオリジナル作品をやる場合、クレジットには常に「構成・演出」と入れてきた。
それは、僕のオリジナルは、ベースにあるテキストのサンプリングやリライトを基本としているからだ。
さらに、稽古の過程でキャストやスタッフが出したアイデアを、かなりの分量で取り入れているからである。
今回ベースとなるテキストは、「ディック全般」であって特定の作品ではない。
そして直接的な引用もほとんどないのだが、やはり「構成」であるとの意識は強い。
観客のみなさんには、役者のアドリブ部分などが一番わかりやすいと思うが、実は舞台美術、照明、音響、そして演出部のアイデアが、作品に奥行きと広がりを与えている。
また、僕は自分のことを作家ではないと考えているので、上演台本はあくまで設計図のようなもので、読み物としてのレベルには達していないとも感じている。
今回公開する「クラウド」の上演台本は、セリフの順番などは公演時のものに直してあるが、基本的には僕が最初に示す「設計図」レベルのものである。
それを公開するのは、ネットの「可能性」に参加したいからである。
以前、僕が演出した、篠井英介さん主演の『欲望という名の電車』の舞台写真をネット上で見て、わざわざチェコから英介さんと僕に会いに来てくれた研究者がいた。
上演台本を公開することで、いろいろなことが起こると面白いと思う。
上演はもちろん、小説に書いてみたり、外国語に翻訳したり、新たな脚本が書かれたり、「音楽」というところに具体的な曲を作ってみたり……夢は広がる。
もちろん、なかなかいろいろなことが起こるとは思えないが、少なくとも公演をご覧いただいた方々が、これを読んでさらなるご自分の「物語」を広げる助けになれば、それはそれでうれしいことである。
これをネタにしばらく話が弾んだりしていただけたら何よりである。

「上演希望の方々へ」
もし、この上演台本を元に実際に上演を考えられる方がいらっしゃる場合は、自由にテキレジを行っていただいて構いません。
僕は個人で活動していて、事務所のような受け皿がないので、僕への連絡はTwitterの@suzukatzか@ogawacloudで、「上演したい」とかつぶやいていただければ、フォローをしたのち、DMで連絡を取ることにします。
もしくは、はてなの「suzukatz-cloud」
http://d.hatena.ne.jp/suzukatzcloud/
のコメント欄にでも書き込んでいただけると助かります。

鈴木勝秀(suzukatz.)

上演台本の公開以降も、いろいろな試みをしたいと思っております。
今しばらくお待ち下さい。