1801-GANTZ/booklet

稽古しながら考えたこと

原子の寿命はほぼ永遠らしい。そして人間は死ぬと、いったんその個体を形成していた原子に分解され、宇宙空間に放り出されるそうだ。だが原子は消滅することなく、再び他の原子と結びついて、何かを形成する。その何かが、再び人間である可能性もあるわけだ。つまり原子レベルで見ると、不死、転生などは、起こり得る。
GANTZによって、玄野たちは際限なく甦らされ、際限なく戦うことを強いられる。死ぬほどのダメージを受けても、甦ることができるのは、初めのうちは「救い」に思える。しかし、何度も復活し、何度も戦場に送られ、恐怖に怯え、友人や仲間の死を見せられ、敵を殺し続けなければならないのは、決して「救い」なんかではない。それは「試練」だ。では、なぜそんな「試練」を受けなければならないのか?そして、その「試練」の先に得られるものはいったい何なのか?
もし、自分が一個の原子なら、転生だけは勘弁してほしい。できれば、来世は水にでもなって、雲になったり、雪になったり、海になったりして、のんきにふらふらしていられるのがいい。

鈴木勝秀(suzukatz.)