ウエアハウス/booklet、るぽえ/booklet

 
1993年に『ウエアハウス』というシリーズを始めて、もう27年目になる。
このシリーズは、エドワード・オールビーの『動物園物語』をひたすら書き直して、まったく違うテキストを作り上げようという試みである。
ウエアハウス』というタイトルをつける以前から、『動物園物語』のセリフのカットアップは行っていたので、人生の半分以上、このオールビーの戯曲と格闘してきたわけである。
こういうのをライフワークとか言うのかもしれないが、単に飽きっぽくない性格なんだと思う。
やはり30年前に『LYNX』という芝居で現れた、「オガワ」という男についても、いまでもまだ考え続けている。
基本的に好きなものはほとんど変わらない。
同じことをずっとしてられるし、あまりブレない体質なんだと思う。
それと作るのは芝居であって、一人っきりで格闘しているわけではないから、詩人や画家など個人作業の方々に比べれば、はるかに開かれてもいるし。
だから、僕はプロデューサーに出会うたびに、『ウエアハウス』の最新版テキストを渡して、上演の機会を探っている。
撒き餌作戦である。
今回、「る・ひまわり」が食いついた。
 
「スズカツさん、『ウエアハウス』弊社でやらせてください」
「ありがとうございます」
「前回は登場人物が3人だったようですが、基本に戻って2人バージョンでもよろしいですか?」
「もちろん」
「では、少しご相談もあるので、お打ち合わせのお時間をいただけますか?」
「ご相談?」
「はい」
 
何はともあれ、僕のライフワーク的『ウエアハウス』は、こうしてまた一歩足を踏み出すことができた。
 
鈴木勝秀(suzukatz.)
 
 
『る・ぽえ』
 
というわけで、向こう見ずな「る・ひまわり制作陣」のおかげで、僕のライフワーク的長期シリーズ『ウエアハウス』は継続され、ここに上演の機会を得た。だが、ハードルを上げるのが大好きな「サディスティック・る・ひまわり」が、ただすんなりと『ウエアハウス』をやらせてくれるはずはなかった。
 
「ちなみに今回は、『ウエアハウス』ともう1本同時に作ってみませんか?3本立てシリーズの新作を、『ウエアハウス』と同時上演!」
「え?」
「弊社とスズカツさんのコラボ・シリーズも、『リヴァ・る』、『ド・るーク』と来たわけですから、やはり3本立てもやりたいなあ」
「それって、もう1本3本立ての新作書いて、『ウエアハウス』と同時に稽古して、同じ劇場で同じ舞台美術で上演するってことですよね」
「はい……あ、やっぱり無理ですかね、スズカツさんでも」
「いや、できます、できます、もちろんできます。でも、かなり実験的だなあ」
「実験公演お好きでしたよね」
「ええまあ」
「じゃ、やりましょう!実験、実験、実験〜!」
「は、ははは」
「あ、今回のお題は、スズカツさんのお好きに選んでください」
「じゃあ、詩人にします。タイトルは……『る・ぽえ』!」
「な〜んだ、もう考えてたんですね。ありがとうございます!」
 
というわけで、またしても僕は、「サディスティック・る・ひまわり」にチャレンジャー・スイッチを入れられてしまったのであった。そしてこれまで同様、刺激的で幸福な日々を送れたのだった。まずいな、このM的快感が完全にくせになりつつある。
 
「次回はですね……」
 
鈴木勝秀(suzukatz.)
 
 
 
 

『THE BLANK!』〜近松門左衛門空白の十年〜/ booklet

「作り話」

僕は戯曲を常にテキストとして扱ってきたので、作家個人に対する興味がどちらかというと薄いほうである。向き合うのは純粋に作品だけ。

ところが、今回の『THE BLANK!』のベーシック・テキスト『口伝 近松門左衛門の真実』を、3年前にプロデューサーに渡されて一読した途端、これまで自分には関係ないなと思っていた、近松門左衛門の生涯に俄然興味を持ってしまった。

門左衛門の子孫である、近松洋男さんがお書きになられた『口伝 近松門左衛門の真実』は、それこそフィクションかと思われるほどの奇想天外なストーリーで、これはもう何が何でも舞台化してみたいと思った次第である。

近松門左衛門」「大石内蔵助」「後水尾上皇」「平戸松浦党」「公界(くがい)」「赤穂塩」「塩の道」「西廻り航路」「鎖国令」「ユダヤ人老師」「スペイン詩劇」

キーワードを並べただけでも、その予想もつかない広がりが伝わるのではないだろうか。

最初に上演台本を読んだキャストもスタッフも、すぐに知的好奇心が刺激され、門左衛門の生きた時代を各自研究し始めた。現在稽古場は歴史研究会のような状態である。

だが、門左衛門の二十代に関しては、正式な資料がまったく残されていない。空白の十年なのだ。

だから『THE BLANK!』歴史研究会の面々は、あれこれ想像しなくてはならない。

しかし想像力さえあれば、思わぬ歴史物語を生み出すことができる。SFならぬHF(ヒストリカル・フィクション)だ。その物語は作り話かもしれない。だが"作り話"をすることは、個人的に何より楽しいことなのである。

鈴木勝秀(suzukatz.)

 

ダルメシアンズ@グレープフルーツムーン(三軒茶屋) (190731)

ダルメシアンズ@グレープフルーツムーン三軒茶屋

(190731)

 


大嶋吾郎(G、Vo)と久保田陽子(Vo)の22年も続くヴォーカル・ユニット。

バックは常に超一流。

今回は以下の手練れ。

笹路正徳(Key)

伊丹雅博(G)

沖山優司(B)

Grace(Ds,Per)

村上ポンタ秀一(Ds)

 


客入れBGMはトッド・ラングレン

定時になるとサティのジムノペディが流れる。

しばらく経つとピアノのメロディにヴォイスが絡みつく。

そして痙攣を起こしたように、ピアノのフレーズがリピートする。

このライブのために作られたものらしい。

こういう音作品を聞かされると、演出家としては何かやりたくなってしまうのだが、それは余計なこと。

このオーバーチュアの間に、ポンタさんを先頭に、メンバーが位置に着く。

音が切れた瞬間に、『R&J』のオープニング曲の生演奏。

ツインドラムが凄まじい。

『R&J』では、ルー・リード風だったが、今日のヴァージョンはキング・クリムゾン風に感じた。

ライブで音を追求しているという印象。

まず演奏者全員が、今そこで鳴っている音をちゃんと聞いていることの重要性を再認識。

自分の演奏のためではなく、瞬間的に消えていく音を聞いて、それに反射的とも言えるスピードで反応している。

レコーディングされたものを、楽譜を頼りに再現するライブとは正反対。

曲のフォーマットはしっかりしているのに、演奏はかなり即興的。

それも個々人の蓄積された音楽知識、テクニックの中から、次々と最良なものが選び出され、実際に音となる。

ゆえに、全員、研究者のような顔つき。

こちらも、実験室で手練れの研究者(ミュージシャン)が、音楽をどのように作っていくのかを見学しているような感覚。

ヘビメタ・クイーン陽子姉も耳を凝らしている。

とにかく全編にわたってリズムが完璧。

ゆえにすべての曲がグルーブしている。

個人的に芝居に求めているものがここにある。

 


ライブの中盤、スズカツ芝居のサウンドトラックから5曲。

『Boss Cat』Where’s My Throne

GANTZ』Izumi

『R&J』The Fence/Love At First Sight

『6週間のダンスレッスン』God Only Knows

どれもオリジナルとは全然違うテイストになっていたけれど、なかでもIzumiは凄かった。

何だろう、超絶インタープレイって言うのだろうか。

「今」でしか聞けないもの。

演奏終了後、衝撃だけが記憶されている。

絶対に芝居のBGMにはできない。

だが、この衝撃を芝居の形にすることはできる。

演技として表現させることもできる。

そうやって、音楽と芝居が行ったり来たりするのがいい。

このスズカツ芝居音楽コーナーは、個人的に特別なものであったのは言うまでもない。

ほかには、以下のような曲があった。(個人的記憶)

ホール&オーツ「Kiss On My List」

レッド・ツェッペリン「What Is And What Should Never Be」

ジャパン「The Unconventional」

スティービー・ワンダー「I Wish」

さらに数曲演奏されたが、誰の何という曲かはわからず、確認もせず。

トーク(吾郎くんのこれが異様に和む)を交えて、休憩なしで1時間40分くらい。

個人的にはベストな長さ。

 


吾郎くんはダルメシアンズを「アマチュア・バンド」だと強調する。

それはこれで食ってないということ。

ゆえに聴衆に媚びることなく、好きなように演奏する。

「このくらいの地下でこっそりやるのがいいのかもね」と吾郎くんは言う。

本当に好きなものは隠される。

しかし、パフォーミング・アートが完全に隠されてしまうということは、実は起こり得ない。

どこからか漏れて、どこかへ伝わる。

じゃあ、どこかのスタジオで、誰にもオープンにせずにやればいいのではないか、というご意見もあるかもしれない。

だが、それは余計なお世話。

現に、観たい人、聴きたい人は、毎回いるのだ。

 

1903-ドルーク/booklet-190215

「シリーズ化へ向けて」

2016年に、る・ひまわりから『僕のリヴァ・る』のオファーを受けたとき、僕は試されているのかと思った。

「テーマは兄弟です。お題は、「乳幼児と新生児」「ゴッホとテオ」「盲目のジェロニモとその兄」の3つ。これを2時間以内のオムニバス芝居に仕立ててください。ちなみに、登場人物は4人です」

普通僕への仕事のオファーは、「劇場があるのですが、オリジナルをやりませんか?」か「この戯曲の演出をお願いしたいのですが、いかがでしょう?」のどちらかだ。
ところが『僕のリヴァ・る』は、戯曲はないし、上演台本を書かなくてはならないけど、縛りがめちゃめちゃキツイのだ。
しかもタイトルだけは、すでに『僕のリヴァ・る』という、ちょっと意味不明なものに決まっていた。

「リヴァルはスペイン語でライバルです。兄弟って最初のライバルですよね」

る・ひまわりは、芝居の宣伝をする会社だが、芝居の制作もやっているという認識はあった。
僕の芝居の宣伝業務も、何本も担当してくれていた。
ちゃんとした会社だ。だが、このオファーは尋常じゃない。
とはいうものの、尋常でないことにかけては、僕だってそう引けを取らないつもりだ。
無理難題を与えられたほうが、やる気が出るという特異体質だ。
だから話を聞いていて、僕の頭の中では「これって大変かも」というより、「これっていろんな実験ができるかも」という考えの方が強くなっていった。
「実験、実験、実験〜」
僕は何より実験が大好きなのだ。というわけで、僕はオファーを引き受け、結果的にとても充実した芝居ができた。

「またやらせてくれないかなあ」

そんな僕の願いは、ここにに叶った。

「タイトルは『僕のド・るーク』。テーマは友だちです。お題は、「樹齢何百年にもなる桜の木と少年」、「サリエリモーツァルト」、夏目漱石の『こころ』」の3つ。これを2時間以内のオムニバス芝居に仕立ててください。で、登場人物は5人です」
「はいはい」
「それから、Wキャストを2組入れます。同じ演技をさせるんじゃなくて、キャストが変わると芝居も変わることを見せてください」
「え?」

ハードルが上がってた……まあ、いいか、シリーズ化してくれれば。

鈴木勝秀(suzukatz.)

1904-hymns/booklet

『直感 Intuition』

 

誰かが発したメッセージを理解するためには、3つの段階がある。

(1)フレーム・メッセージを理解する。

(2)外部メッセージを理解する。

(3)内部メッセージを理解する。

これを演劇作品に置き換えると、次のようになる。

(1)「これは演劇作品です。もし可能なら理解してください」というメッセージである。

(2)「演劇作品を理解するには、いくつか解読メカニズムを見つけなければなりません」というメッセージである。

演劇作品の解読メカニズムとは、まず上演作品の言語を理解すること。つまり、日本語で上演されている場合は、日本語の習熟が必要になる。だが、演劇作品であるがゆえに、舞台美術、衣裳、照明、音楽・音響──そして何より俳優の演技を理解することが、日本語の習熟と同等、あるいはそれ以上に重要である。

(3)あとは、各自がその能力を駆使して、その作品を理解すればよろしい。

つまり重要なのは、(2)の外部メッセージの理解なのである。

 

 クロエ「難しい言い方するな」

 オガワ「それほど難しくもないだろ」

 クロエ「おまえの言い方の問題だ。芝居はいろんなとこ見て楽しんでね、ってことだろ」

 オガワ「いや……」

 

理解するというのは、ルールを知ることである。

ルールがわからなければ、どんなに使用されている言語に習熟していても、そこで行われていることを理解することはできない。

一方で、ルールさえ理解してしまえば、男が女を演じることも、外国人を演じることも、抽象舞台であることも──とにかく何でも受け入れることはできるし、理解することもできるし、感情移入することもできる。

となると、演劇もサッカーのようになるべく簡単なルールを設定して、多くの人々が参入しやすいもののほうがいいということになる。

実際に、戯曲は24時間以内の、一つの場所で起こる、筋が一つの物語を扱わねばならないという「三一致の法則」というものも存在した。

ところが、シェイクスピアはすでにそのルールを無視していたし、ローカル・ルールは多数生まれる。

そして、演劇のルールは言語化されていないもののほうが多く、特に俳優が独自に持っている演技をするにあたってのルールを理解することは難しい。

たとえば、今作に出演している中山祐一朗のルールを理解することは、そう簡単にはできない。

 

 クロエ「ほら、まただ」

 オガワ「何?」

 クロエ「なんで、わざわざ難しく言うんだ?祐一朗は変なことを考えてるから面白い──でいいだろ」

 オガワ「でも……」

 

いずれにしろ、演劇の各作品のルールを理解することは難しい。

となると、観客が「内部メッセージ」を本当の意味で理解することなど、到底不可能なのかもしれない。

いやそれどころか、実際舞台に立っている人間にすら、それはできていないのかも……

 

アツヒロ「オレ、スズカツさんが何考えてるか、『直感』でわかるんですよね!」

スズカツ「……」

 

そういうことなのである。

ちょっと涙出そうになった。

 

鈴木勝秀(suzukatz.)

 

『R&J』lyrics

『R&J』lyrics

M1-a:No Future/ピノキオ

Don't be told what you want
Don't be told what you need
Don't be told how you live
Don't be told how you love

未来なんかない
聞きたくもない
There's no future, boy
未来なんかない
知りたくもない
There's no future, boy
There's no future, boy
There's no future, boy

(間奏)
I don't see the future, men

未来なんかない
ほしくもない
There's no future, boy
未来なんて暗い
ツライだけじゃない
There's no future, boy
キライなんじゃない
笑っちゃうじゃない
There's no future, boy(laugh)


M2:Let's Rock Through My Life Together/ロミオ

ラ、ララ、ラララ、ラララ~
ラ、ララ、ラララ、ラララ~

 

偽善政治の張本人
水爆並みにやばいヤツ
しょせん戦士は消耗品
最悪ツメの甘いヤツ
神よこいつを救いたまえ
神よこいつを救いたまえ

 ラ、ララ、ラララ、ラララ~
Let's dance through the night together
ラ、ララ、ラララ、ラララ~
Let's rock through my life forever
ラ、ララ、ラララ、ラララ~
Let's dance through the night together
ラ、ララ、ラララ、ラララ~
Let's rock through my life forever

 

美談大好き善良で
疑いなしに笑うヤツ
しょせん市民も消耗品
生き残れたら乾杯か?
神よヤツラを救いたまえ
神よヤツラを救いたまえ

ラ、ララ、ラララ、ラララ~
Let's dance through the night together
ラ、ララ、ラララ、ラララ~
Let's rock through my life forever
ラ、ララ、ラララ、ラララ~
Let's dance through the night together
ラ、ララ、ラララ、ラララ~
Let's rock through my life forever


M4:Welcome to The Masquerade Ball/キャピュレット

(セリフ:キャピュレット)
「Ladies and gentlemen, welcome to our party tonight!
 It is a great honor and pleasure to welcome you here tonight.
 Thank you for coming!
 Please make yourself comfortable.
 How's everybody doing out there tonight?
 I can't hear you!
 You all having a good time or what?
 OK.
 Now it's time to start the party.
 I hope you'll enjoy this special night!
 Let's go!」
*キャピュレットの歌は、基本的にソウルフルに、アドリブっぽく。
(Yeah, Com'on, Alright, Sing along, Bring it on, Here we go)

 

(Oh ho)
オ~、イエ~、イエ~、イエ~
(Oh ho、踊りましょう、歌いましょう)
オ~、イエ~、イエ~、イエ~、カモン!
(Oh ho)
オ~、イエ~、イエ~、イエ~オーライ!
(Oh ho、食べましょう、飲みましょう)
オ~、イエ~、イエ~、イエ~
(Oh ho)
オ~、イエ~、イエ~、イエ~
(Oh ho、踊りましょう、歌いましょう)
オ~、イエ~、イエ~、イエ~
(Oh ho)
オ~、イエ~、イエ~、イエ~
(Oh ho、食べましょう、飲みましょう)

 

仮面の裏 欲望の罠 揺れる
背く理性 ジれて 溶けてく

 

かおをカクして ハメをはずして
ムネをはだけて こころヒラいて
うでをマワして クビをまわして
かたをマワシて サラもまわして
あしをカラめて シタをからませ 
のどをウルおし こえをカスらせ
まなざしユレて ドレスひろげて
マタをひらいて ミミにかみつき
ケアナひらいて ゆびでかきマゼ
あそこカクして おしりマルだし
ウナジなめあげ クチビルかんで
せなかツメたて ひふをヤブって
メダマとびだし コブシにぎって
ドウトクわすれ リンリをすてて
ミダラにわらい ユエツにないて
ノウミソゆらし からだカンじて

(Oh ho)
(Oh ho、踊りましょう、歌いましょう)
(Oh ho)
(Oh ho、食べましょう、飲みましょう)
(Oh ho)
(Oh ho、踊りましょう、歌いましょう)
(Oh ho)
(Oh ho、食べましょう、飲みましょう)
(Oh ho)
感じて 感じて 感じて 感じて……
感じて 感じて 感じて 感じて……
(Oh ho)

 

顔を隠して 名前忘れて
本能のまま おのれさらして
今宵一夜は 無礼講
どんな悩みも BREAK OFF(ブレイコフ)!
仮面舞踏会へ ようこそ


M6:Beautiful Garbage (Who am I suppose to be ?)

/ヘレナ&エヴァ

わたしの一部になりたいの?
(絶対よ、絶対)
わたしは安売りしてないわ
(絶対、してない)
わたしはだれ?

わたしの名前を知りたいの?
(絶対よ、絶対)
わたしは名前なんてないけど
(絶対、ないけど)
忘れちゃった

 

ダンサー、ウエイトレス、モデル、売春婦
美しいゴミくず
ロッカー、パンク、俳優、色男
美しい廃棄物
ああ もうただの オンナでいい

 

あなたの全部になりたいの
(絶対よ、絶対)
あなたをわたしにしてやるわ
(絶対、してやる)
あなたはだれ?

わたしの一部になりたいの?
(絶対よ、絶対)
わたしはあなたになりたいの
(絶対、なりたい)
ア~ア~ア~
死んでもいいくらい

 

ダンサー、ウエイトレス、モデル、売春婦
美しいゴミくず、
ロッカー、パンク、俳優、色男
美しい廃棄物
ああ もうただの オトコでいて


M7:Love At First Sight/ロミオ&ジュリエット

Do you believe in love at first sight?
一目惚れを信じられる?
ひと目会った その日から
恋の花咲くこともある

恋なんて 気がふれたようなもの
ウエディング・ベルは ゴルゴダの丘
誓いの口づけ 交わしたからは
死ぬまで一緒 墓場まで

(まるでショットガン)
前世で出会い
(目と目が合ったなら)
来世で結ばれる
(もう逃げられない)
それには現世で 一目惚れ
恋の三段論法
ラブ・アット・ファースト・サイト!

(まるでショットガン)
前世で出会い
(目と目が合ったなら)
来世で結ばれる
(もう逃げられない)
それには現世で 一目惚れ
恋の三段論法
ラブ・アット・ファースト・サイト!

Do you believe in love at first sight?
一目惚れを信じられる?
ひと目会った その日から
恋の花咲くこともある


M8:The Reason/ヘレナ

I remember when she was young,
No just a baby, baby girl
千年経っても 覚えてる
あの子が乳離した あの日のことを
私はニガヨモギ 乳首に塗って
あの子に ムリヤリ吸わせた
苦しかったんでしょう むずかってあの子は
あたしをにらみつけた

まるで 昨日 回る 記憶
それが今じゃ、オゥオゥ

Romeo loves Juliette, oh Juliette
And the reason is Juliette, yeah
時が経つのはあっという間
Juliette loves Romeo, oh oh
And the reason is Romeo, yeah
時が経つのはあっという間

And the reason is Juliette
And the reason is Romeo


M12:The Fence/ティボルト、ベンヴォーリオ

(ティボルト)
この世界には巨大な
フェンスがある
敵と味方を分ける
フェンスがある
ここに立ち 守らなければ
平和な暮らし 保てない
いいとか悪いの 話じゃない
現実にある

(セリフ:ティボルト)
「この世界には 敵と味方を分断するフェンスがある。
 いいとか悪いとかの話じゃない。
 現実にフェンスは存在するんだ
 そしてそれを誰かが守らなければならない。
 誰が守る?
 おまえか?おまえか?おまえか?
 私はとてつもなく重大な責任を負っているんだ。
 おまえたちが決して担えないような責任だ」

(コーラスとセリフ)
ラ、ラララ~(おまえたちは、実にお気楽だ)
ラ、ラララ~(何も知らないからこそのお気楽さだ)
ラ、ラララ~(フェンスを!)
ラ、ラララ~(守るんだ!)
ラ、ラララ~(フェンスを!)
ラ、ラララ~(守るんだ!)
ラ、ラララ~

(セリフ:ティボルト)
「いいか、よく聞け!
 おまえたちから見たら、理解に苦しむ、怪物のような私が、善良な市民の生活を守っているんだ!
 おまえたちはこの私を必要としている。
 フェンスの上に立つ私を必要としているんだ。
 我々は、『誇り』『規律』『忠誠』を大事にする。
 その言葉で国を守っている。
 おまえたちはそれを笑いモノにした。
 そんなヤツが自由をよこせだと?
 ふざけるな!
 いいか、よく聞け!
 私が与えてやった自由の毛布にくるまって、のうのうと寝てるおまえらに、本来は何も言う権利はない。
 黙って、感謝だけしてろ!
 それがイヤなら、守りに立て!
 我々の仲間になれ!」

(ベンヴォーリオ)
この世界にはバカげた
フェンスがある
家畜を囲うような
フェンスがある
今すぐに 壊さなければ
永遠に 出られない
このままで いいわけがない
現実にある

(セリフ)
  ティボルト「誰だ、おまえ?」
ベンヴォーリオ「誰だっていい!」
  ティボルト「ロミオはどうした?」
ベンヴォーリオ「知るか!」
  ティボルト「おまえら家畜の大将だろ?」
ベンヴォーリオ「黙れ!」
  ティボルト「噂通り、女に入れ込んでメロメロか?」
ベンヴォーリオ「……!」
  ティボルト「おい、何とか言えよ。何とか言え!」
ベンヴォーリオ「……」
  ティボルト「聞こえないのか!このクズが!」

(コーラス)
ラ、ラララ~(フェンスを!)
ラ、ラララ~(守るんだ!)
ラ、ラララ~(フェンスを!)
ラ、ラララ~(守るんだ!)


M15:Melt Into The Night/ロミオ&ジュリエット

あなたのいない ここは闇夜 光なく閉ざされ 
音も聞こえず まるでこの世 一人だけ残され

もし 許されれば
ここから出て
もう一度 逢いたい

もし 神がいれば
生まれ変わり
自由に 愛したい

(ロミオ)
せめてもう一度
(ジュリエット)
愛し合いたい
ロミオとジュリエット
せめてもう一度だけ

あなたのいない ここは闇夜 光なく閉ざされ 
夜に溶け込み 消えてしまう それだけが望み……


M17:Everlasting Life(ブラームス交響曲第3番第3楽章)/ジュリエット(アカペラ)

 

氷のような 花が落ちる
命尽きて また蘇る
果てしなきものを求める

 

わたしのいのち かぎりあるから
知ろうとした 永遠の歌
地上ではできないことを


M19:Love Never Dies/ロミオ

穴の空いた靴で
雨のなか 歩きまわって
傘もささず 濡れたら
涙でも 消せるだろうか

 

答えのない人生生きて 何もわからず 何も知らず
迷いだらけの人生生きて 苦痛に耐え
救いのない人生生きて 何も得られず 報われず 見えず
なぜ神は沈黙したままなのか?

 

窓の外で声が
出し抜けに 響き渡って
死は終わりじゃない 始まりだと
告げて消えた

 

人は臨終(いまわ)の際(きわ)に 心が浮き立つという
それを死の前の稲妻と 看取る者は呼ぶ
死神もまだ来ていない まだ征服されていない
この体からくびきをはずそう

 

Love never dies even (if) my life is ended here by myself for Love
(Love) never dies even (if) my life is ended here by myself for Love
(Love) never dies even (if) my life is ended here by myself for Love
(Love) never dies even (if) my life is ended here by myself for Love

(Love, Love, Love,Love, Love)
(Love, Love, Love,Love, Love)
(Love, Love, Love,Love, Love)
(Love, Love, Love,Love, Love)
(Love, Love, Love,Love, Love)
(Love, Love, Love,Love, Love)

 

M21:Without A Word/吾郎(music & lyrics:大嶋吾郎)

I Don’t need the sun to light my days.
(僕の日々を照らす太陽はもういらない)
I Don’t need the stars to guide my way.
(夜の道を照らす星たちはもういらない)
I can tell the world All I need is You.
(僕はここに宣言する、必要なのは君だけ)
I Don’t need to stop and waste my time.
(立ち止まって時間を無駄にすることはもうない)
I don't need the lies to live my life.
(そして生きるためのうそはもういらない)
Ii can tell the world All I need is You.
(僕はここに宣言する、必要なのは君だけ)

You Don’t have to talk
(だから君はもう話さなくていい)
Don’t have to walk.
(もう歩かなくていい)
Don’t have to touch.
(もう触れなくてもいい)
Don’t be afraid.
(怖がらなくていい)
We’re gonna live our life
(僕たちは自分たちの人生をいきるんだ)
No matter where the people goes.
(人々がどこへ向かうとか関係ない)

We Don’t need the hope to light our eyes.
(僕たちにはもう希望もいらない)
We Don’t need to dream … any more.
(夢を見る事もなくていい)
We can tell the world
(僕はここに宣言する)
All I need is You
(必要なのは君だけ)
We can tell the world
(二人で宣言しよう!)
Without a word
(でも言葉は必要ないね)
Without a word
(言葉は必要ないね)

 

『鈴木勝秀(suzukatz.)-190110/ホロン』

僕がサラヴァ東京=ラボ(実験室)で2ヶ月おきにリーディングをやっていたのは、2012年9月〜14年1月のことだった。
実に多くの実りがあった。
だが僕のメイン・ラボだった青山円形劇場同様、サラヴァ東京もなくなる。
感傷的な気持ちはまったくないが、最後にもう一発何かやりたいと思った。
というわけで、篠井英介さんと大嶋吾郎くんとで、"super noisic reading"をやらかします。
「すべてのものは何かの全体であり、何かの一部である」
鈴木勝秀(suzukatz.)