初代iMac前夜

iMac登場前夜は、まだワープロ派とパソコン派に分かれていて、Mac派などはものの数にも入らなかった。
オアシスの機能にも徐々に物足りなさを感じはじめ、周囲にもパソコン使いが現れてきた。
それでも、自分の仕事としては、ほとんどが文書作成であって、多機能なコンピュータに移行するインセンティヴはあまりなかった。
ただ、時間の無駄遣いとも思われる、プリントアウトとファックス送信をなんとかしたかった。
一度、ファックスが故障して、大慌てでファックスを送れるところを探しに行ったことがある。
今では考えられないが、駅前のコンビニにはファックスはなかった。
商店会の人にファックスを送れるところはないか聞いてみたが、このへんにはない、という返事。
そこで隣駅まで自転車で行ったが、そこにもない。
しかたないので、自転車を置いて横浜駅へ電車で行って、ようやくファックスサービスを発見し送信。
直接自分で届けに行ってもほとんど時間は変わらなかった。
しかも、1枚50円ほどかかったので、かなりの金額だった。
そこで、ワープロなんだけど通信機能もあるという機種に目を向けた。
文書が作れて、それを即座に送信することができれば、自分にとってはそれでOK。
LYNX』を書いたわりには、インターネットに対する概念も、その後の展開もまるで予測できていないので、とにかくファックスを使わずに原稿を送りたい……それが唯一の希望だったのだ。