word processors 01

ワープロで書き始めたのは、『LYNX』の次の作品『古謡』からだから1991年からということになる。
最初に触れたワープロは、ラベルやせいぜいハガキ作成用途のもので、なんと作成画面は1行しか表示されなかった。
それでは文書全体がどうなっているのかは想像の域を出ず、到底テキスト作成など不可能だった。
どうしてそんなものが手元にあったかは最早不明だが、誰かからもらったものであったと記憶している。
次に手にしたワープロは、借り物で10行ほど表示できるものであった。
『古謡』はそれで書いた。
ワープロ自体の記憶力が低く、B5サイズで2〜3枚書くたびにフロッピーに記憶させ、ついでにプリントアウトしていた。
全体を画面で見ることができないので、即時のプリントアウトは必須でもあった。
そのプリントアウトを読みなおして、誤字脱字、セリフの直しをまた打ち直した。
LYNX』を手書きで4〜5日で書いたことを考えると、とてもストレスフルな書き仕事で、途中で何度もやめようと思ったのだが、今後は絶対ワープロで仕事をする時代になるのだ、との思いでキーボードに慣れるためにも、必死で取り組んだ。
おかげで書き上げる頃には、かなりの速度でキーボードを打てるようになったが、このワープロの性能の低さは、とても創造的ではないと感じ、早くもっと高機種のものを手に入れなければと感じた。