音楽メモ(10)

(10)
・Music From Another Dimension! / エアロスミス(2012)
→変わらないことが老舗バンドが長命をつかむコツ。
◯Hydra / TOTO(1979)
→80年代の先触れ。西海岸のスタジオミュージシャンが、そのテクをちょい甘いムードで演奏したものが流行る。それは"聴きやすい"がメインテーマ。聴きやすい、邪魔にならない。リッチで満たされる。危機意識、危険察知能力がどんどん弱まる。やはり80年代のロックは、資本主義の手先なのだ、ということを実感する。そこを意識したうえで、RADIOHEADやRHCPが現れるまでの10年を振り返る意味で、80年代ロックを聞いてみると、新たな発見があるかもしれない。この呑気さ、わかりやすさ、軽快さ……この音楽で育った人間と、ボブ・ディランの音楽で育った人間は、明らかに違ってしまう。ボブ・ディラン系を聞くには、今だってある覚悟が必要だし、意志を持たなければ聞けない。若いころは、そうやって構えて音楽に向かっていたのだ。
Toto / Toto(1978)
→デビュー・アルバムのほうが、もっとお気楽だったんだ。だがいつの時代も、アメリカのポップ・ミュージックは、こんなものだったのかもしれない。個人的に、年齢を重ねて、ヨーロッパに親近感を持つようになり、アメリカが嫌いになるにしたがって、アメリカ的人生を謳歌するようなものは、なんであっても好きではなくなってきたのかもしれない。もちろん、アメリカ的価値観を疑問視するアメリカ人はいる。常に、既存の価値観を疑うことによって、アートは成立してきた。つまり、どうしても反権威主義になる。この手の音楽が、どうにも好きではないのは、その精神の部分なのであろう。かといって、アンチだけで作られた作品は、どれであっても作品としての力は感じない。
・MKⅢ〜ライヴ・イン・パリ 1975 / ディープ・パープル(2012)
→ヴォーカルは、デヴィッド・カバーデル。テクはあるけど、ありきたりのハードプログレ・バンド。妙に客に媚びている。ほんの3年でこのようになる。イアン・ギランの凄まじさを改めて思うためのアルバムにしかなってない。
◯KYLIN LIVE/渡辺香津美(2005)
→1979年のライヴ。メンバーは、坂本龍一矢野顕子、村上 Ponta 秀一 、小原礼、PECKER、向井滋春清水靖晃本多俊之矢野顕子は飛び抜けて個性的。坂本龍一は演奏技術は低いと偉そうに思っていた。で、ホーンの3人は圧倒的。個人的にはジャズ初心者のころ。
◯TO CHI KA / 渡辺香津美1984
→クロスオーバー・ジャズの世界最高峰は渡辺香津美だったんじゃないだろうか、とまで思わせる。
・The Guitar Bro. / 松原正樹 with 今剛(2006)
→日本人の演奏技術は大したもんだ。でも、技術だけでは面白い音楽にならない。BGMには最適。
・California Shower / 渡辺貞夫(1978)
→これが大ヒットしたのだ。神奈川県民ホールに初めてジャズを聴きに行った。たしかに渡辺貞夫によって、ジャズの底辺は広げられた。
◯Starless Starlight / David Cross & ロバート・フリップ(2015)
→音色がいい。
◯Retrospective / アンディ・サマーズ(1998)
ロバート・フリップを目指していたのだろうな。